今回は電動工具が突然動作しなくなる事案が発生した時のお話です。
コンクリート躯体にダクトや換気扇などを取り付ける場合、アンカーと呼ばれる金具を使用します。
これはコンクリートにキリで穴をあけて、そこに挿入させて固定させるものです。アンカーの使い方などの詳細はまた別の機会とします。
コンクリートに穴をあける電動工具が今回の主役です。
それがこちら「ハンマードリル」と呼ばれています。
コンクリート穴あけ作業中に突然に動かなくなりました。バッテリー切れを疑いましたがバッテリー交換しても動きません。この日はもう一台のハンマードリルで作業は続けられましたが今後同じ様なことが起こり作業が出来ないとなると大変困ります。
そこで原因究明する事にしました。
初めにバッテリー電池と本体の接触不良を疑い、本体のバッテリー差込み部分の掃除をし、バッテリー電池を取り付けましたが動かず・・・原因はここではない。
では、と思い一気に分解し中身を確認する事にした。
初めての外科手術です。が以外に簡単で要所にあるビスを外すだけでした。
中身を見て、なるほど!これがあれで、こうなって、ああなって、こうなっているのか!
・・・?って、さっぱりわかりません!!
しかし、モーター周辺やスイッチ周辺に細かい粉が溜まっています。
これが原因?と思いながら刷毛や掃除機で綺麗に除去し、カバーを仮組しバッテリーを付けつけてスイッチONしてみると動き出しました。
原因は細かい粉。その正体はコンクリートに穴をあけたときに出る粉塵でした。
通常はキリの回転と共にサラサラと落ちていくもので、作業後に掃除機やブロワーによって除去する物ですが、この細かい粉はハンマードリル本体の隙間から内部に侵入し溜まったものと考えられます。
このままではいつか同じ事が起きてしまいますので対策を考えました。
メーカーさんで出している「集塵システム」を発見!!
しかも今使っているハンマードリル専用機です。
な、なんだ、最初からあるんじゃないか。知らなかったのは私だけだったのかもしれません。
数日後、「集塵システム」が届き、ハンマードリルと合体!!
ここまでくると昔遊んだ合体ロボット的なワクワク感が増してきます。
これがまた優れもので、ハンマードリルのスイッチと連動で集塵機が作動し、コンクリートに穴をあけた瞬間から発生した粉塵を吸い込むという物です。
これでハンマードリル本体に粉塵が入り込むことが避けられそうです。
そもそも集塵機システムはコンクリート粉塵を周囲に撒き散らさない為の装置だと思います。
はじめから粉塵飛散防止の観点から集塵システムを導入していればハンマードリルの動作不良も起きなかった事となります。百歩譲って良かった点は、ハンマードリルの中身を知れたことです。内部構造は何だかさっぱり分かりませんが、中を見る良い機会でした。
今回の件は単に電動工具の動作不良への対策ではなく、作業リスクの認識不足と対策が出来ていなかった事が露呈した案件でした。
作業リスクは他の作業でも細かい事がまだまだ潜んでいると思われます。
今後は今の知識からもう一歩踏み込んだリスクの洗い出しと対策を考えられる様に努力したいと思いました。
今回はここまでとします。 ご意見ご感想などはお手数ではございますが、ツイッターの弊社アカウントへお願い致します。
0コメント