どんな仕事なの?(角形編)
鉄製の薄い板で構成される「ダクト」を加工し部屋の中の空気を搬送するルートを作る仕事です。
主に円形のダクトと角形のダクトの二種類に分かれており、取付け方に違いはありますが単純な仕組みです。
順番に説明します。
角形のダクトは「アングルフランジ工法ダクト」と「コーナーボルト工法ダクト」の2種類があります。
角形ダクトは基本的には「フランジ」とばれる部材でダクト同士を接続していきます。
そのフランジの形状により2種類に分けられています。
「アングルフランジ工法ダクト」のフランジはL型の鋼材(アングル鋼材)を加工して作られており、通称「アングルダクト」と略して呼んでいます。
「コーナーボルト工法ダクト」は共板加工と呼ばれる工法によりダクト本体と一体となるフランジとなっており、通称「共板ダクト」と呼ばれています。
次の画像2枚は「アングルダクト」です。ダクトの両端(画像の上下)がフランジとなっておりフランジをアップにするとボルト用の穴が複数ある事が分かります。
次の2枚は「共板ダクト」です。こちらもダクトの両端(画像の左右)がフランジとなっておりフランジをアップにするとボルト用の穴が1ヵ所なのが分かります。共板のフランジは1ヵ所につきボルト用の穴は4ヶ所(四隅に1ヵ所づつ)と決まっています。コーナー(四隅)にボルト用の穴があることから「コーナーボルト工法ダクト」と呼ばれています。
角形のダクトには丸形と違い「継手」がありません。全て角形のダクトで構成されます。
例えばダクトの入口と出口のサイズが違う物を「ホッパー」と呼びます。
また、ダクトがカーブしている物を「エルボ」と呼びます。
これら以外にも「Sカーブ」「抱き割り」「ドン付け」など様々なダクトがあり、これらを接続させて完成させます。
次に接続の方法ですが、アングルダクトと共板ダクトでは若干違いがあります。
ですが基本的には「ボルト」と「ナット」を使って締め付けます。ボルトとナットは1セットとなるので「ボルナ」と呼んでます。
ダクトには両面にフランジがありますので、接続したいフランジと相手側のフランジの各ボルト用の穴を合わせてそこにボルナを通して締め付けます。
アングルダクトはボルナを入れて締め付けるだけで接続は完了となります。
ボルナを締め付ける工具は「インパクトドライバー」と「ラチェット」(画像3枚目)を使用します。ラチェットの事を「ガチャ」と呼んでいます。インパの先端を下の画像の様なソケットに付け替えて使用します。ガチャでボルトの頭(六角形)を固定し、インパでナットを締め付ける感じです。
ダクトの接続に使うボルナのサイズは「M8」と呼ばれる物でネジの部分が直径8mmとなっています。しかし実際に締めこむのはボルナの六角形の部分となりますので、ソケットは13mmを使用します。
共板ダクトはアングルダクトと違い四隅にしかボルト用の穴がありません。したがってフランジの中間をボルナで締め付けることが出来ません。代わりに「ダクトクリップ」(画像上)と呼ばれる部材で締め付けることになります。工具は「クリップ掛け」(画像下)と呼ばれるもので、テコの原理を利用してダクトクリップを倒して締め付けます。
ダクトのフランジ同士を締め付ける理由として、ダクトが完成した後に中を空気が流れますが、締め付けが甘いと空気が漏れ出してしまいます。これを防ぐ為にフランジ同士の締め付けは重要となります。またフランジ同士の間に「ガスケット」と呼ばれるスポンジ系またはゴム系のパッキンを入れる事により空気の漏洩は防ぐことが出来ます。
下の画像はスポンジ系のガスケットで片面に粘着剤が塗布されていますので、テープを剥がしてフランジに貼り付けます。
角形ダクトは「フランジにガスケットを貼る」「ボルナで締め付ける」「ダクトクリップで締め付ける」の順番で作業が進みます。
どうですか?以外に難しくないですよね。
あなたもやってみませんか。